2010年6月9日(水)付


「岳」ロケ大町北小で 北ア舞台 自然と人間描く
 北アルプスを舞台に山岳救助や登山者との交流を描く映画「岳−ガク−」の撮影が5日、大町市の大町北小学校で行われた。同校児童らがエキストラとして参加し、主演の小栗旬さんらと映画のワンシーンを演じた。山岳救助ボランティアの主人公・島崎三歩を中心とした、自然の美しさや人間ドラマが見どころ。来年の公開予定。 同映画は、山の厳しさを描きながら、世界の巨峰を登り歩いた三歩と長野県警山岳遭難救助隊新人隊員のヒロイン・椎名久美(長澤まさみ)や山岳遭難で父親を亡くした横井ナオタ(小林海人)らとの心の交流や遭難救助を通して、命の重さ、生きることについて問いかける。
写真=(C)2011「岳-ガク-」製作委員会提供
森林の里親契約結ぶ 池田町と相互印刷工芸
 池田町広津地区でカミツレ研究所を運営する、相互印刷工芸は6日、同町と「森林(もり)の里親契約」を結んだ。同地区の民有林4・42fなどを契約対象に、町の森林整備に毎年20万円を支援し、ボランティア活動に取り組む。 広津地区の同社長野事業所研修センターで開いた調印式では、企業側と町、仲介役の県などから、約40人が出席。同社の北條修社長と勝山隆之町長が契約書に調印。オオヤマザクラを記念植樹した。 北條社長は「印刷事業に大切な森林資源を使う会社として、感謝を込めた契約。社員にとって第二のふるさとにし、ともに発展していきたい」とあいさつ。勝山町長は「地域に愛着をもってもらいありがたい。地球環境を守るためにも、この関係を未来につなげていきたい」と喜びを述べた。 契約は県の「森林の里親促進事業」に基づき、社会貢献に意欲ある企業と地域が連携し、森林づくりを目指す。県内では53件目、北安曇地方事務所管内では4件目となる。
気品高くヒメシャガ 白馬村長谷寺で見ごろ
 白馬村飯森の曹洞宗長谷寺(森道雄住職)で山野草・ヒメシャガが見ごろを迎えている。美しく気品ある薄紫色の花が一斉に咲きそろい、境内の一角で初夏を彩っている。 境内裏庭の池の周辺約100平方bにわたり群生。森住職の丹精込めた手入れに応えるかのように、見事な開花を見せている。来週半ばまでは楽しめそうだ。 ヒメシャガは、アヤメ科の多年草。花茎は細く、長さは2、30a、5月から6月にかけてかれんな花を咲かせる。和名は姫シャガ。本州や四国、九州に分布する。 長谷寺は「花の観賞は自由です。山野草に触れながら、境内での散策を楽しんでみては」と話している。
薬物悪影響に理解 小谷中で乱用防止教室
 小谷村の小谷中学校(西網民雄校長、生徒76人)で7日、薬物乱用防止教室が開かれた。大町保健福祉事務所の食品・生活衛生課の湯澤邦孔さんを講師に、薬物に対する正しい知識や薬物の怖さ、体に及ぼす影響などについて理解を深めた。 湯澤さんは薬物が「エス」「スピード」といった聞き心地の良いネーミングや「ダイエットに良い」など、甘い言葉に乗せられて薬物と知らぬまま広まっている事態を重く見て、生徒に薬物を乱用した際の体の影響と、巧妙な誘いの手口などについて細かく説明した。 さらに中国で覚せい剤を密売して同国で死刑になった日本人の事件を引用。国際社会の一員として貢献していく青少年が国内外で重大な事故に巻き込まれる危険性について述べた。
小谷村の養成塾開講 伝統ぼろ織り次代に
 小谷村と村の有志でつくる「小谷ぼろ織りの会」主催による、「織り姫養成塾」が7日から、同村おたり名産館でスタートした。 ぼろ織りは昔の着物や野良着などの古布を細く裂き、はた織り機で新たな布を織り込む同村の伝統技術。昔の人の知恵から生まれた作品は、高い技術を持つ優れた工芸品として、ものを最後まで大切にするという究極のリサイクルとして、注目を集めている。 同塾は小谷の伝統技術のぼろ織りを次世代に継承していくために、平成3年から毎年2回開講。塾で実際の作品づくりを体験してもらい、ぼろ織りの魅力を実感してもらうことで、修了生で構成するぼろ織りの会への入会と、未来に向けた職人としての活躍を期待している。
山博コマクサ開花 淡い桃色今月末まで
 大町市の大町山岳博物館(宮野典夫館長)の入り口で、「高山植物の女王」とも呼ばれるコマクサが花開いている。例年より10日ほど遅い開花となったが、淡い桃色の花を6月末ころまで楽しめそうだ。 コマクサは野生の場合、標高2000b以上の亜高山帯に生育し、比較的乾燥した砂礫(されき)地に群生する。コマクサの名は、花弁が馬の顔に似ているところからついたという一説もある。 同博物館では、昭和35年ころ研究用に定植。低地の野外で増やすことは難しく一時期数が激減したものの、同館では常に雑草を抜くなど環境整備をしながら繁殖を進め、現在は大小あわせて約100株ほどが育っている。 敷地内には、現在30株ほどのコマクサが花芽をつけている。なかには珍しい白いコマクサも。館に併設している喫茶・売店「こまくさ」の窓際の席から北アルプスとコマクサをゆっくりと眺めることもできる。
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