2010年9月4日(土)付


民家の風景水彩で ギャラリーてん29日まで
 大町市在住の画家・TOKU(本名・小林正徳)さんの個展「茅葺(かやぶ)き民家と四季の風景」は29日まで、大町市平温泉郷の「ギャラリーてん」2階で開いている。身近な風景の建物などを民家に変えた、なつかしい風景を水彩で描いた作品が並んでいる。会場に飾られているのは、身近な大町近隣や安曇野などの風景をもとに、建物などを明治以前をイメージした茅葺きの民家に描き直した作品たち。日本の原風景を想起させる、新作30点を加えた40点が展示されている。民家は長年使い込まれたようすを感じさせるディティールが描きこまれ、絵の中には描かれていない人々の営みを想像させる。やわらかなタッチは、山の白さや空の青さ、夕焼けの赤さなどが際立ち、絵から物語を連想させる。
女性頼らず自炊を 食改常盤が料理教室
 大町市の食生活改善推進協議会常盤地区(白沢千代子会長)は1日、「男性の料理教室」を同地区公民館で開いた。女性に頼らずとも自炊ができ、調理に関心を持つなど実習をとおして指導する毎年恒例の取り組み。食改のメンバーの呼びかけで参加した同公民館職員ら男性7人は、レタスチャーハン、豚肉のしょうが焼き、キュウリとワカメの酢の物、かき玉汁の4品に挑戦した。食材に含まれる塩分を考慮した調味料の分量や溶きタマゴを注いだり火を止めるタイミング、効率の良い調理器具を選ぶなど主婦ならではの知恵を参考に、簡単で栄養とボリュームたっぷりの食事を1時間30分ほどで完成させた。
元気与える笑い魅力 クラウン大棟さん講演 池田町
池田町と厚生連安曇総合病院認知症疾患医療センターは2日、「認知症を考える講演会」を町公民館で開いた。来場者約300人が、NPO法人日本ホスピタル・クラウン協会理事長・大棟耕介さんを講師に、元気を与える笑いの魅力を学んだ。大棟さんは国内外の病院で患者を楽しませようと、クラウン(道化師)としてパフォーマンスを行っている。先進的なアメリカで修行し、世界コンテストで金メダルを獲得した実力派。日本でも普及を図ろう19年前から活動を続けている。講演会では、巧みなパフォーマンスと話術で会場をわかせ、「笑いは患者の自発性をうながす」とアピール。「笑いは周囲にもうつる」と話し、よりよい医療環境づくりにもアドバイスを送った。
能力確認で意識一層 小谷で交通安全活動
 小谷村で2日、新日本警備保障(本社・長野市)による高齢者交通事故防止活動が行われた。村福祉センターせせらぎ駐車場には、運転技術や歩行能力などを診断する県警の交通安全体験車「チャレンジ号」が登場。多くのお年寄りが参加し、現在の運転や歩行能力を再確認し、交通安全への意識を一層深めた=写真。 同活動は、県の高齢者交通事故防止事業(緊急雇用対策創出基金事業)の業務委託を受けた新日警が、8月1日から来年1月31日までの6か月間、県内各地で実施している。大町署管内の大北地域では、小谷村を皮切りに今後順次開催される。 同日の高齢者交通事故防止活動には、新日警職員ら20人が参加した。ライトの点灯に対する反応や動体視力などチャレンジ号での診断を終えたお年寄りたちに、診断結果から見えた注意点などを丁寧に伝えていた。高齢者宅訪問による啓発活動も展開した。
茅葺きの「煌遼庵」 石原さん夫の遺志継ぎ完成 白馬村
 白馬村神城の石原裕美さん宅でこのほど、茅葺(かやぶ)き屋根の囲炉裏庵≠ェ完成した。昨年8月、手づくりで建設を進めていた夫・敏行さんが不慮の事故で急逝。裕美さんが遺志を継いで完成にこぎつけた。自宅を増築した際、部屋の中にあった囲炉裏を敷地内に隣接して移設したもので、直径40aほどもある杉材10本の皮をはいで組み上げた。3b四方で高さは約5b、茅の厚さは約60aある。中央に囲炉裏を設置し、いすや机なども備えた。敏行さんが他界したのは、全工程の半分ほどを残した時期で、裕美さんは「茅葺き屋根専門業者の『小谷屋根』の松澤敬夫さんや、地元の大工さんの協力でようやく完成することができました」と感謝している。2人の子の名前から「煌遼庵」と名づけ、「亡き夫といつも一緒に」との思いから、写真など納めた灯ろうを柱に設置した。裕美さんは「感無量です。夫もこだわりがあったので、天国で安心していると思います」と話している。
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9月の一覧
手仕事作品を展示即売  JA小谷女性部の温かみ
 JA大北おたり支所女性部はこのほど、南小谷・中土・北小谷支部の女性部員の手仕事作品の展示即売コーナーをおたり支所金融課窓口に設置した。おたり支所女性部の部員は個人やグループで、趣味を生かしたものづくりに取り組む人が多く、その活動を広く組合員に知ってもらおうと、展示即売コーナーを初めて設けた。 コーナーにはティッシュケースなどの実用品小物類や、小谷村の伝統工芸・ぼろ織りなど多数の作品を展示。数百円台という安価で展示即売している。部員が一つひとつ手間と時間を惜しまずに作った作品は、いずれも手仕事の持つ温かみが感じられるものばかり。訪れた人は「すてきなものばかりですね」と感心しながら手にとって品定めをしていた。 併せて南小谷支部が地域貢献活動の一環として企画している、若い親子を対象とした食農体験教室の、畑で収穫された農作物の数々も安価で販売され、初日に大半が売り切れる人気ぶりだった。