2011年7月14日(木)付


山留OBが 帰る家  小谷村 古民家活用「梢乃雪」
 かつて小谷村の山村留学生として学んだOBと保護者が、同村中土の古民家を交流施設として活用し、地域の活性化につなげようと取り組みを始めた。このほど古民家ゲストハウス「梢乃雪(こずえのゆき)」として本格オープン。「何もない、あるのは自然だけだがそれこそが最大の魅力」という、無から生み出すありのままのもてなしが評判を呼んでいる。
 経営するのは大阪出身の辰巳明さん。息子が同村の山村留学に学んだのが縁で、小谷の魅力にひかれ、定年を機に数年前、人の住まなくなった築120年の古民家を購入して小谷に移住。小学校の統合にともない、山村留学制度は終了したが、留学生らは今でも小谷を慕い、交流を望む声が多いことから、「山村留学生の帰る場所を作りたい」と、ゲストハウスの利活用を考えたという。
環境保全登山者に 白馬でグリーンパトロール結隊式
 白馬村と中信森林管理署(下堂健次署長)は12日、北アルプス北部地域のグリーンパトロール隊の結隊式を村役場で開いた。隊員が北アルプスに常駐し、山岳環境の保全啓発や美化活動に向け、パトロールに取り組む。
同パトロールは夏山シーズン最盛期に合わせ、登山客に対しての啓発活動や山岳美化活動に取り組んできた。中信森林管理署が白馬村振興公社に委託し、全国から公募している。昭和45年から約40年にわたって続いている。
ことしは新人からベテランまで8人の隊員が8月26日まで常駐。白馬岳周辺から五竜岳周辺にかけて、高山植物保護の呼びかけや注意啓発、ごみ拾いなどに取り組む。8月29日に解隊式を開く予定。
北ア望む風景画 大日方さん作品展 大町市の茶々
 地元の人が手がける作品発表の場にと店内壁面などを提供している大町市仁科町の喫茶「茶々」は8月31日まで、大日方三郎さんの絵画展を開いている。北アルプスを望む風景画などを展示し訪れる人の目を楽しませている。
大日方さんのお気に入りにの地同市美麻新行の四季や、水面の青が涼しげな小樽運河などの油彩5点で、店内を囲むように並んでいる。
地産地消プロの味 金の鈴料理考遊会
池田町の農家などでつくる「金の鈴まごころ会」(袖山光代代表)は12日、地元食材を使った料理を学ぶ第5回「料理考遊会」を町創同館で開いた。身近な野菜やハーブの魅力を広め、地産地消の拡大につなげようと、プロの料理人を講師に、家庭で簡単にできる料理作りを実践した。
講座は食材の生産からこだわり、健康的な料理作りに取り組む、明神館=松本市=の田邉真宏氏、舎爐夢(シャロム)ヒュッテ=安曇野市=の崎元伸郎氏、ラ・ネージュ東館=白馬村=の磯部冬人氏のシェフ3人を講師に招いた。
市民が知って紹介を 大町で観光ガイド講座
 大町市観光課は13日、本年度の第1回観光ガイド講座を大町商工会館や若一王子神社などで開いた。市文化財センターの島田哲男所長が講師を務め、市街地にある王子神社と弾誓寺との関係について解説し、現地を案内した。
市民に地域の歴史や観光資源を学んでもらい、訪れた観光客や出会った人たちに紹介することにつなげてもらいたいと開催。市民18人が、若一王子神社の夏の例大祭を前に、神社の歴史などを学んだ。
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7月の一覧
在来種と景観保護 オオキンケイギク駆除を
 大町市内をはじめ、大北各地で多く見られる北アメリカ原産の黄色い多年草「オオキンケイギク」が繁殖期を迎えている。在来種保護や北アルプスのふもとらしい景観にするためにも、住民の積極的な駆除が求められている。
オオキンケイギクは明治中期に観賞用として日本に持ち込まれたとされる帰化植物。高速道路ののり面緑化などに使われたため多く繁殖している。長野県固有のツツザキヤマジノギクやツメレンゲなど河川敷固有の植物を減少させる原因にもなっている可能性があるという。現在、環境省の定める「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で栽培、保管、運搬、販売、譲渡、輸入などが禁止されている。
オオキンケイギクは根から簡単に抜けるため、根から全て取り去ってしまうことが好ましい。種がこぼれると繁殖してしまうため、種をこぼさないよう、指定の燃えるごみ袋などに入れて処分することが最善。