2011年8月9日(火)付


「原始感覚」の意見交換 脳科学者茂木さん講演 大町市
 大町市内を舞台にした原始感覚美術祭の一環で7日、脳科学者・茂木健一郎さんによる講演会が、海ノ口上諏訪神社で開かれた。人が自然ととともに生きる「原始感覚」をとりいれた芸術について、出展作家たちと意見を交わした。
 茂木さんは、美術祭アートディレクターの杉原信幸さんら東京芸術大学出身の作家が在学中、教えていた。かつての学生から招かれ講演会に参加、出展作家たちの在学中のエピソードを、笑いを交えながら紹介した。
会場には市内外から約90人が来場。杉原さんが「『田舎』と呼ばれる場所のほうが、人が生きていく可能性がある。作家が地域住民と交流し作り上げた作品を、都市部へと発信してきたい。継続して取り組んでいければ」とアピールしたのに対し、茂木さんは「原始感覚を世界的に広めるには、普遍的な概念を付ける必要がある。今後も美術祭に協力していきたい」とエールを送った。
雨雲吹き飛ばし夏の夜 大町やまびこまつり
 大町市の中央通りで6日に開いた第33回大町やまびこ祭りで、クライマックスの「やまびこおどり」には72組の踊り連が輪をつくり、3250人の参加者が街を練り歩き、盛大に夏の夜を盛り上げた。
 参加者たちの熱気が雨雲を吹き飛ばしたかのように、やまびこおどりオープニングセレモニーの鏡開きとともにどしゃ降りの雨もあがった。午後7時のおどり開始宣言で「やまびこ音頭」や「やまびこサンバ」に合わせ、地域や職場、サークルなどの仲間同士でつくった連が、歩行者天国の中央通りを「そーれ」「やっほー」と声をかけながら元気に踊った。
昼間には市立大町総合病院の職員たちが練習を重ねたよさこいソーラン、大町北高書道部や仁科台中学校イベント隊らが路上ライブパフォーマンスを披露。小学校の鼓笛隊パレードや太鼓演奏が祭り気分を一層盛り上げた。
210人白熱レース 白馬村で全日本学生ロード
 白馬村の飯森地区を会場に6、7の両日、「2011年全日本学生ロードレースカップ・シリーズ第5戦・白馬クリテリウムラウンド大会」(日本学生自転車競技連盟主催)が開かれた。
 同競技は公道を封鎖して短い周回路のコースを作り、規定周回数を走って得点数を競う自転車レース。人気の高い自転車レースの誘致による活性化を願い、村や地元関係者の全面協力により、毎年開催。年々人気も高まり、真夏の風物詩として定着。ことしも多数の観戦者が集う中、全国各地の強豪校から過去最多の210人余が参加して、白熱したレースを繰り広げた。
碑除幕 災害史後世に 稗田山大崩落から100年
 23人もの尊い命を奪い「日本三大崩れ」のひとつに数えられる小谷村の稗田(ひえだ)山大崩落から、8月8日で、ちょうど100年を迎えた。村内では同日、記念碑・慰霊碑の除幕式やシンポジウムなどが開かれた。節目を迎え、災害と常に向き合ってきた小谷の歴史を後世に語り継ぐとともに、砂防工事の重要性含め災害に強い地域づくりについて考えた。
 記念碑・慰霊碑の除幕式は、大崩落で甚大な被害を受けた稗田山麓の石坂地区で行われ、地元はじめ、近隣市村の関係者ら約100人が出席した。
 ふたつの碑は、住民や行政、議会など村関係者ででつくる稗田山崩れ100周年記念碑建碑実行委員会(委員長=松本久志・小谷村長)が建立した。
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8月の一覧
自慢の歌声披露 まつかわふるさと祭り
松川村の第29回「まつかわふるさと祭り」は6日、JR信濃松川駅前イベントストリート周辺で開かれた。初開催の地区対抗のど自慢大会に各区の代表17組が出場、区民の声援を受けながら自慢の歌声を披露した。
小学1年生から89歳まで、幅広い年代から出場。着物や芸能人の仮装など思い思いの衣装でステージに上がり、ダンスや笑いを織り交ぜた多彩なパフォーマンスで、会場を沸かせた。アイドルユニット「オトメ☆コーポレーション」のゲストライブも祭りに花を添えた。
審査には、平林明人村長や村と観光提携を結ぶ松本大学観光ホスピタリティ学科の山根宏文教授らがあたった。神戸区から出場した小学生4人組が優勝に輝き、平林村長が「松川の未来を担う子どもたちを選びたい」と話した。
夏だ親子で水遊び マスつかみや下水処理見学 池田町
 池田町は7日、水と親しむイベント「夏だ!親子で水遊び23」を会染地区の高瀬浄水園で開いた。マスつかみ大会や下水処理施設の見学会などを通じて、家族連れなど来場者にきれいな水の大切さをアピールした。
イベントでは親子で楽しむ魚釣りのほか、町職員によるかき氷やスイカなどの振る舞いが行われた。子どもたちは水辺公園で、透明な水中を泳ぐ魚を追いかけまわし、捕まえたマスなどを家族に誇らしげに見せていた。
施設は町内から集まる公共下水と農業集落排水を処理、微生物の働きなどで水中の不純物を取り除き、河川に放流している。下水道への接続促進などを目的に毎年イベントを開催し、事業への理解を求めている。