小谷 塩の道祭りスタート 冬と春の競演 古道歩く
 かつて信州と越後の海陸の物資を運んだ古道、千国街道・塩の道を、小谷・白馬・大町の3市村をつないで巡る「第33回塩の道祭り」が3日、小谷村から始まった。小谷では1500人余が参加し、牛馬の隊列で敵に塩を送ったという美談で知られる街道の故事にちなみ、多数の参加者が昔の旅姿に扮し、往時をしのばせる原風景の色濃い古道の散策を楽しんだ。
 ことしは出発式を2回行い、多数の人出で渋滞する道中を快適に歩けるように工夫をこらした。出発時には雨模様だったが、徐々に天候も回復。古道にはまだところどころに残雪が残り、遅咲きの桜も満開で、冬と春の競演が参加者を感動させた。
トップページ

●当サイトに掲載の記事・画像の無断転載を禁じます。すべての著作権は大糸タイムス社に帰属します。
Copyright(C)2010 OHITO TIMES Co., Ltd. All Rights Reserved.

5月の一覧
風に揺れる菜の花 大町市 中山高原 ショップも開設

 大町市中山高原の菜の花が咲き始めた。ことしは例年に比べ少ない面積ながらも、鮮やかな黄色い花がそよ風に揺れる。菜の花農業生産組合、新行地域づくり振興会、菜の花ステーションは3日から「菜の花ショップ」を開設。菜種油や山菜などを販売し、観光客を迎えている。中旬が花のピークになりそうだ。
3本仕立て成長願う 大町公民館菊づくり講習
 大町市の大町公民館は30日、「菊づくり講習会」の本年度第1回を市文化会館西駐車場で開いた。市内から参加した受講者10人が、菊愛好家でつくる市秋香会を講師に、1株から3輪の花を咲かせる「3本仕立て」を育てる。作品を11月の文化祭で展示する。
初回は秋香会の栗林紀世子さんが、昨年の株から摘み取った冬至芽を鉢に植え、根を生やす挿し芽の作業を紹介した。受講者は国華銀強大や精興北山などの品種から、白や赤、黄の思いおもいの色を選び、健やかな成長を願いながら鉢に植えていった。
市の文化祭では毎年、秋香会の会員らが、菊花展に100点以上の作品を出展し、住民の目を楽しませている。大町公民館は伝統の菊作りと親しんでもらおうと講習会を開き、ことしで3年目。
大町市薬師寺春の例大祭 70周年回向柱除幕
 大町市社松崎の「曹洞宗牛立山 薬師寺」で29日、春の例大祭が行われた。寺院昇格70周年を記念し建立された回向柱の除幕もあり、節目を祝うとともに地域住民の平穏な日々を願った。
 地元産のアカマツを使った高さ約4bの回向柱は、北アルプスを背景に寺院正面に建てられた。昨年11月、惜しまれつつもこの世を去った先代住職の小松正義さんも寺院昇格70周年を心待ちにしていたという。
 跡を継ぎ住職に就いた新井直樹さんは「これからを背負っていく身としてプレッシャーはあるが、先代の思いを大切に、寺護持会の力を借りながら、発展に力を尽くしていきたい」と語った。
絶景北アバックに快音 池田町長杯マレット大会
 第12回池田町長杯マレットゴルフ大会(池田町マレットゴルフ協会主催)が29日、高瀬川河川敷のアルプス広場マレットゴルフ場で開かれた。中心各地から腕自慢約170人が参加し、心地よい春の陽気のなか絶景の北アルプスをバックに快音を響かせていた。
 参加者たちは、90度に曲がるコースや斜面にカップがあるなど県内で最も難しいとされるコースに挑んでいった。36ホール、パー144で争われた。真剣勝負のなかにも時折笑い声も響き、マレットゴルフという共通の趣味を通じた交流も楽しんでいた。
残雪の里山爪かんじきで 小谷村公民館の成人教室
 小谷村公民館の成人教室の一つ「村内めぐり」がこのほど行われた。歴史・文化に詳しい村内在住の田中省三さんの案内で、豪雪地の農山村で雪中歩行のために利用されていた「爪かんじき」を履き、残雪の残る里山歩きを楽しんだ。
 新潟県糸魚川市境の戸土地区を出発し、大網地区に至る塩の道古道を巡った。爪かんじきの履き方は、村内の里山文化を観光資源として活用する活動を行っている、小谷村特産推進室のメンバーが指導。初めての参加者も多く、履き心地を確かめながら、まだ2b以上の残雪がある、信越国境の里山に繰り出した。
 今の時期の雪は硬く締まり、かんじきをつけると雪中に沈むことなく快適に歩くことができた。田中さんは「史跡や石仏はすべて足の下。今日は野良歩きで昔の人の暮らしぶりを体感しましょう」と呼びかけ、自然と一体化した気分で里山を歩いた。

2012年5月4日(金)付