2015年9月12日(土)付

大町で土砂崩落や停電 10日の大雨 大北に爪あと

 茨城県鬼怒川の堤防決壊など関東や東北各地に甚大な被害をもたらした10日からの大雨は、大北地域にも大きな爪あとを残した。大町市内では、八坂、美麻を中心に、土砂崩落や流出、倒木が発生し複数か所の道をふさいだ。八坂地区では全世帯の約7割に及ぶ275世帯が停電になるなど住民生活に支障をもたらした。人的被害はなかった。
 美麻地区から信州新町に通じる県道川口大町線では10日午後7時ころ、土砂崩落や倒木により全面通行止めとなった。信州新町境までの約900bの間、複数か所で土砂の崩落や流出、路肩決壊などが確認できた。最も被害が大きい現場は美麻側の信州新町境で、高さ6b、幅12bの落石防止柵が土砂や倒木に押し倒される形で道をふさいだ。大町建設事務所などは翌11日朝から現地調査を行い復旧方法など検討した。「1週間程度で応急復旧を済ませ片側通行含め交通を確保したい」としている。
いかだ作りで国際交流 白馬高とブリティッシュスクール東京

 白馬村の白馬高校の生徒12人は11日、サマーキャンプで同村などを訪れているブリティッシュスクールイン東京(BST)=東京都=のYear9(中学2年生)の生徒ら約60人と大町市の青木湖畔で交流し、国籍を越えた青少年が触れ合った。
 青木湖畔ではラフトビルディングを体験。BSTの生徒と一緒にチームをつくり、木の棒やポリタンクをひもで組み合わせて、いかだを作り上げ、湖に浮かべた。3年生の松倉源帥君(18)は「みんな主張が強くて、刺激的でした。うまく浮かべばいいな」と話していた。
 BSTで英国の指導要綱に沿って多国籍の生徒が学ぶ。13年前から毎年夏と冬の年2回、自然豊かな白馬エリアを訪れ体験活動を行っている。今回は日本における中学・高校にあたる生徒約330人が7日から11日まで滞在。ラフティングやカヌー、ロッククライミング、救命講習など、さまざまな体験を通じて、生徒の生きる力をはぐくんでいる。
伝統技術を次世代に 小谷ぼろ織り講座後期始まる

 小谷村と村の有志で作る「小谷ぼろ織りの会」主催による「織り姫養成塾」の後期講座が9月から、おたり名産館でスタートした。昔の着物や野良着をほどいて機織りの素材とし、新たな布によみがえらせる、昔ながらの伝統技術。次世代に技を継承する人材を育てようと、年2回開いている。
 後期では家に残されている機織り機をもう一度使ってみたいという思いを持つ、村在住の若い女性らが参加して、短期集中講座で機織りの技術を学んでいる。
座編みの椅子展 木楽工房 池田の山風舎で

 池田町会染のストーブ&クラフトショップ山風舎は、「木楽工房」を主宰する座編み椅子いす作家・山形英三さん(49)=大町市平=の「座編みの椅子展」を23日まで開いている。「体を優しく受けとめてくれる椅子」をテーマにした作品展。
 山形さんは職業訓練校木工科を卒業後、25年前に大町へ移住し、注文家具を制作していた。展覧会で見たヨーロッパの座編み椅子の写真に感銘を受け、民芸家具メーカーで技術を習得。試行錯誤の末、15年前から本格的に座編み椅子づくりを始めた。オーダーメード制作の他、若い世代に伝統技術を伝えている。
仕事への理解深める 松川中2年が職場体験

 松川中学校(河手密校長)の2年生100人は9、10の両日、村内を中心とした37の事業所で職場体験を行った。北アルプス広域南部消防署では4人の生徒が体験し、消防士の仕事への理解を深めた。
 「救急の日」の9日、放水訓練や消火訓練、呼吸訓練を行った。生徒たちは、防災服やベルト、ボンベを装着、ホースの伸ばし方やつなぎ方など、手ほどきを受けながら実践した。「ホースを絶対離しては駄目」「しっかり構えて」などと署員から注意を受け、タンク車に接続されたホースに力を込めて、放水訓練を体験した。
心をひとつに歌い上げ 大町高最後の合唱コンクール

 大町市の大町高校生徒会(淀光儀生徒会長)は10日、同市文化会館大ホールで第41回合唱コンクールを開いた。来年度の新校への合併を控え、同校生徒会としての開催は最後となる。
 全校での校歌斉唱と職員合唱で幕を開け、保護者ら大勢の観客が耳を澄ませる中、376人の全校生徒がそれぞれの歌声を競った。生徒たちは心をひとつに歌い上げ、会場に澄んだ若々しい歌声を響かせていた。
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