2017年6月5日(月)付

アートで磨く大町の魅力 北アルプス国際芸術祭開幕


 世界各国のアーティストが制作した芸術作品で大町を飾る「北アルプス国際芸術祭2017〜信濃大町食とアートの廻廊〜」(実行委員会主催、委員長=牛越徹市長)が4日、開幕した。7月30日までの57日間、「水」「木」「土」「空」をテーマに、36組のアーティストによる現代アートを中心とした作品展示などが市内5エリアで展開される。大町がまるごと「美術館」になる。
作品に込めた思い

リー・クーチェ 「風のはじまり」 東山エリア

 台湾の作家リー・クーチェさんは、鷹狩山山頂での作品制作を終え安堵の表情を浮かべた。地元中学生や多くのボランティアに制作を手伝ってもらい「一緒になって創り上げたということが重要。この手伝いを通じ、より自然を感じ、知ることにつながれば」と自然との共存意識の広がりに期待を寄せた。
五十嵐靖晃 「雲結い」 仁科三湖エリア

 木崎湖南岸にかかる桟橋に、天高くまで伸びた藍染の組ひもがたたずむ。「雲結い」は、北アルプスの雪解け水がやがて天に還る自然の循環を表現した五十嵐靖晃さんの作品だ。
青島左門 「花咲く星に」 東山エリア

 地元大町市社の美術家・青島左門さんは東山エリア・中山高原に作品「花咲く星に」を制作。中山高原の幅160b、奥行き100b、高さ40bの空間には、夜になると、カーネーションやキクなどの生花で覆った300個のLEDライトが「星の花」となり、夜空の星と競演する。
「大町の魅力知って」住民協働もてなしや整備

足湯とカフェで食と健康 平高瀬入心笑館こまどめの湯

 大町市平高瀬入の温泉宿泊施設「心笑館こまどめの湯」は、北アルプス国際芸術祭の開催に合わせて、足湯とカフェを整備した。県外からの芸術祭来場者などに大町の魅力を知ってもらおうと、食と健康のもてなしを用意した。
 施設では宿泊棟別館が芸術祭作品の展示会場となる。入浴できない来場者にも温泉を体感してもらおうと、かけ流しの足湯を設置した。200円で利用できる。
安全確保へ木道整備 宮の森自然園住民ボランティア

 北アルプス国際芸術祭の作品展示会場の一つとなる大町市宮の森自然園では、同園保存会メンバーが、園内の木道にゴムマットを取り付けた。ぬれた木道の上は滑りやすいことから、来場者の安全を第一に考えた取り組みだ。
 作業は5月28日の早朝から行い、保存会メンバーや芸術祭に携わるアートフロントスタッフ約
20人が参加した。園内をめぐる延長約450bの木道のうち、作品展示場所周辺の約200bでゴムマットを設置した。
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