大糸タイムス主催、大糸タイムス友の会・大北医師会・大町市共催

「女性や尿失禁や膀胱脱、男性の排尿症状」

市民のための健康講座


 第15回「市民のための健康講座」(大糸タイムス主催、大糸タイムス友の会・大北医師会・大町市共催)は27日、大町市俵町のフレンド・プラザ大町で開いた。池田町の安曇総合病院統括院長の西澤理医師を講師に、女性や尿失禁や膀胱脱、男性の排尿症状といった泌尿器科の疾患や症状について学んだ。




下部尿路症状 さまざまな要因



 正常な排尿は、腹圧をかけなくても排尿することができ、残尿はありません。回数は昼は2時間は持ちます。夜は1、2回。排尿時以外には尿はもれません。下部尿路の症状は、さまざまなファクター(要因)があることが多い。年を取っただけでもなることがありますし、尿道の血管が細くなって血の巡りが悪くなる。肥満、高血圧、高脂血症でもなる。こういったことが頻尿や尿意切迫感と関連する。
 男性の前立腺肥大症の場合も、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常、がんといったことが背景にある。肥大症だけがあるわけではない。肥満とか、可能な限り体重を落とすことも必要です。





腹圧性、切迫性―二種類の尿失禁






 尿失禁には、2通りがあります。セキやくしゃみで漏れるものと、我慢ができなくて漏れるもの。この二つは性格が違います。腹圧性尿失禁は、重くても手術で治せます。切迫性尿失禁は薬を主に使って対応します。複雑なのは、同じ患者さんで二つの尿漏れを持っていることがある。手術で腹圧性、薬で切迫性を治すような方法もあります。

 切迫性尿失禁は過活動膀胱とも言います。急に尿意を感じて、我慢できずに漏れてしまう。これは手術で治るので、きょうの講演を聞いて、病院に行っていただきたい。年だから、少しだからと医療機関に行かないのは良くない。医療は進歩しています。それを享受するのが現代人ではないでしょうか。
日本全体が、恐ろしい勢いで高齢化に向かっている。20年後には3人に1人が65歳以上。こうなると、排尿障害が今以上に上がっていく。アンケートを取ってみると、困っているのに「困っていない」「年を取れば当然」と答える人が多い。病院に行くこと自体をいやがっていることがよくある。これは非常に問題です。
 過活動は女性に多く、不随性で膀胱が閉まってしまうので、手術では治らない。膀胱の収縮を抑える薬で治します。今は少なくとも6種類くらいの薬があり、どれかひとつは患者に合う薬がある。飲み薬と、昨年はちょう付剤(張り薬)も出てきた。全く作用の違う薬もある。薬の治療のオプションが多いということです。これでも効かない人もいるが、患者に対して過活動膀胱の治療は進んでいます。
過活動膀胱という診断を付けるには、尿意切迫感が週1回以上あることが条件。質問書から診断を付けたうえで薬を出しています。漏れるだけでなく痛みがある場合は、間質性膀胱炎という病気の可能性があり、専門的な治療が必要。病院に来てもらった方がいい。




腹圧性尿失禁


 軽いせきでも漏れる方がいる。こういった腹圧性尿失禁は、手術で治せる。体操がいいとも言われますが、体操自体難しい。30分の手術で治せます。80歳代は3人に1人というデータがありますが、歳のせいだからあきらめるというのはやめていただきたい。骨盤底筋のゆるみが原因。体操で治る人もいますし、それで治らなければ手術です。手術は2種類あって、尿道の前にテープを通すが、テープを上下に入れるTVT手術と横に入れるTOT手術がある。私はTOT手術を好んでやっている。安心してできる手術で、多くの患者さんが治せて、非常に喜んでいただいている。
 骨盤の筋肉が弱いために、膀胱・子宮・直腸が落ちてくる方がいる。骨盤臓器脱です。子宮は2枚のメッシュを入れて挟んで上げる。膀胱・直腸は1枚。




前立腺肥大症


 男性の前立腺肥大症は、大きくなった前立腺が尿道を締め付け、早い段階から排尿困難が出る。こういったところを広げる薬がある。超音波検査すると、前立腺がおむすびのように肥大しているところがわかる。
尿の流れが悪くなり、症状が出る。大きくなる。尿の出も悪い、前立腺も大きい―という症状全部がある人は多くはない。あくまでも症状を目安に治療する。膀胱の中に前立腺が突出していると、排尿困難が強い。病院には尿の勢いを調べる機械がある。これで症状がわかる。正常な前立腺に比べ大きさが超音波測定でわかり、どんな治療がいいかわかる。
主体は、前立腺をゆるめるαブロッカーによる治療が有効です。抗男性ホルモン薬というものもある。あるいは男性のED治療薬を、投与量を減らせば前立腺肥大症にいい。薬が少なくとも3種類ある。非常にオプションが広がってきている。


 この地区の地域医療の充実を目指して取り組んでいる。歳だからとあきらめず、病院行っていただきたい。




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